特定技能の受け入れ人数に上限はある?分野ごとの見込数と介護・建設の人数枠【2026年版】
公開日 2026年10月30日更新日 2026年10月30日

特定技能1号には、分野ごとに国全体の「受入れ見込数」があり、受け入れの上限として運用されます。全分野の合計は80万5,700人(2029年3月末まで)で、2026年7月末の在留者数(速報値)は43万2,016人、見込数の53.6%です。1社あたりの人数枠は原則としてありませんが、介護と建設には常勤職員の数を基準にした枠があります。
この記事では、2026年10月30日時点の出入国在留管理庁(入管庁)の資料をもとに、受け入れ人数にかかわる上限を整理します。あわせて、採用の計画を立てるときに確かめておきたい点をまとめます。
受け入れ人数にかかわる上限は3つある
「特定技能に人数の上限はあるか」という問いには、層を分けて答える必要があります。国全体の分野ごとの上限、1社や1事業所あたりの上限、支援の体制から決まる上限の3つです。

1つ目は、どの企業にも関係します。2つ目は、介護と建設で受け入れる企業に関係します。3つ目は、多くの人数を自社で支援する企業に特に関係します。順に見ていきます。
国全体の上限:分野ごとの受入れ見込数
政府の基本方針では、分野ごとに5年ごとの受入れ見込数を示すことになっています。そのうえで、それぞれの受入れ見込数は「大きな経済情勢の変化が生じない限り」、1号特定技能外国人の受け入れの上限として運用するとされています。
いまの見込数は、2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針で決まりました。1号は全分野で80万5,700人、期間は2029年3月末(令和10年度末)までです。2024年3月に設定された82万人から見直されています。特定技能2号には、受入れ見込数の設定がありません。
分野ごとの見込数と在留者数(2026年7月末・速報値)
入管庁は、分野ごとの見込数と1号の在留者数を公表しています。2026年10月30日時点の最新は、2026年7月末の速報値です。充足率(在留者数÷見込数)の高い順に並べると次のとおりです。
| 分野 | 受入れ見込数 | 在留者数 | 充足率 |
|---|---|---|---|
| 外食業 | 50,000人 | 49,290人 | 98.6% |
| 飲食料品製造業 | 133,500人 | 101,922人 | 76.3% |
| 建設 | 76,000人 | 52,366人 | 68.9% |
| 介護 | 126,900人 | 81,436人 | 64.2% |
| 農業 | 73,300人 | 44,952人 | 61.3% |
| 航空 | 4,900人 | 2,823人 | 57.6% |
| 自動車整備 | 9,400人 | 5,332人 | 56.7% |
| 造船・舶用工業 | 23,400人 | 11,693人 | 50.0% |
| 漁業 | 14,800人 | 4,988人 | 33.7% |
| ビルクリーニング | 32,200人 | 10,514人 | 32.7% |
| 工業製品製造業 | 199,500人 | 63,032人 | 31.6% |
| 宿泊 | 14,800人 | 2,771人 | 18.7% |
| 自動車運送業 | 22,100人 | 703人 | 3.2% |
| 鉄道 | 2,900人 | 73人 | 2.5% |
| 木材産業 | 4,500人 | 99人 | 2.2% |
| 林業 | 900人 | 19人 | 2.1% |
| リネンサプライ | 4,300人 | 3人 | 0.1% |
| 物流倉庫 | 11,400人 | - | - |
| 資源循環 | 900人 | - | - |
| 合計 | 805,700人 | 432,016人 | 53.6% |
出典:入管庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」
物流倉庫と資源循環は、2026年1月に追加された分野です。入管庁の制度説明資料(2026年9月29日更新)では、受け入れは準備が整い次第始まる予定とされています。
見込数を超えそうになると:外食業で起きたこと
入管法第7条の2は、分野を所管する行政機関の長が、必要な人材が確保されたと認めるときの扱いを定めています。その場合、法務大臣へ在留資格認定証明書の交付の停止を求めます。求めがあれば、法務大臣は一時的に交付を停止します。在留資格認定証明書は、海外から外国人を呼び寄せるときに使う書類です。介護や建設などの分野別運用方針でも、受入れ見込数を超えることが見込まれる場合に、この停止を求めると書かれています。
この仕組みが実際に使われたのが外食業です。外食業の見込数は5万人で、2026年2月末の在留者数は約4万6千人(速報値)でした。5月ごろに見込数を超えると見込まれたため、2026年4月13日から交付の一時停止が始まりました。

入管庁は、外食業の在留諸申請を次のように扱うとしています。
- 在留資格認定証明書の交付申請:4月13日以降に受理したものは不交付。4月13日より前に受理したものは、在留資格の変更申請を優先したうえで、見込数の範囲内で順に交付する
- 他の在留資格からの変更申請:4月13日以降に受理したものは原則として不許可。技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了した人などには例外がある
- 外食業の1号として在留する人の申請:転職などに伴う変更申請は、通常どおり審査する
- 在留期間の更新:通常どおり審査する。在留者数の増加に影響しないためと説明されている
2026年10月19日掲載の審査状況では、認定証明書の交付は受付日が2026年2月6日までの申請まで進んでいます。2026年10月16日時点で、2月7日から4月12日までに受理され、申請中のものは合わせて7,361件(速報値)です。
交付の停止は、再開できる仕組みになっています。入管法では、必要な人材が不足すると認められる場合に、交付を再開できると定めています。外食業の受け入れ再開の時期は、入管庁の資料(2026年4月22日追加)で「未定」とされています。
1社あたりの人数枠:原則なし、介護と建設はあり
入管庁の運用要領では、原則として、受け入れ機関ごとの特定技能外国人の人数枠は設けられていないとされています。ただし、一部の分野には人数枠があり、分野別の要領別冊で確かめるよう案内されています。
2026年10月30日時点で入管庁のページに掲載されている分野別の要領別冊は18分野です(資源循環はまだありません)。このうち、受け入れ人数枠の定めがあるのは介護と建設の2分野でした。
| 分野 | 数える単位 | 1号の人数の上限 | 基準の人数に数えない人の例 |
|---|---|---|---|
| 介護 | 事業所ごと | 日本人等の常勤の介護職員の総数まで | 技能実習生、EPA介護福祉士候補者、留学生、事務職員、看護師 |
| 建設 | 受け入れ機関ごと | 常勤の職員の総数まで | 1号特定技能外国人、技能実習生 |
出典:分野別要領別冊(介護分野、令和7年4月21日一部改正)P.13、(建設分野、令和7年1月31日一部改正)P.14・P.27
介護:事業所ごとに、日本人等の常勤介護職員の数まで
介護では、1号特定技能外国人の数が、事業所ごとに「日本人等の常勤の介護職員の総数」を超えてはいけません。会社全体ではなく、事業所ごとに数えます。
「日本人等」には、次の外国人材も含まれます。
- 介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士
- 在留資格「介護」で在留する人
- 永住者や日本人の配偶者など、身分・地位に基づく在留資格で在留する人
一方、技能実習生、EPA介護福祉士候補者、留学生は含まれません。数える介護職員は「介護等を主たる業務として行う常勤職員」です。介護施設の事務職員や、看護業務を行う看護師・准看護師は含まれません。医療機関で療養生活上の世話などを行う看護補助者と、その指導を同じ病棟で行う看護師・准看護師は含まれます。
建設:受け入れ機関ごとに、常勤の職員の数まで
建設では、1号特定技能外国人の総数が、受け入れ機関の常勤の職員の総数を超えてはいけません。常勤の職員の数には、1号特定技能外国人と技能実習生を含みません。建設技能者はさまざまな現場に出向いて働くため、指導・育成には一定の常勤雇用者が必要という理由です。
建設では、国土交通大臣による「建設特定技能受入計画」の認定も必要です。1つの受け入れ機関が持てる認定受入計画は1つだけです。新たに1号特定技能外国人を追加するときも、計画の変更申請になります。
2027年4月1日には、建設分野の告示の改正が施行されます。新旧対照表では、人数を数えるときに除く人が「技能実習生」から「育成就労外国人」などに変わり、外国にある事業所に所属する常勤の職員も除かれます。受入計画の申請時に育成就労外国人を雇用していて、一定の基準の適用を受けている場合は、この人数枠が当てはまらないとも定められています。改正後の要領別冊は、2026年10月30日時点でまだ掲載されていません。
計画を立てるときの注意点
協議会などへの加入は在留諸申請の前に
分野によっては、在留諸申請の前に分野別の協議会へ加入することが求められます。たとえば介護では、厚生労働大臣が設置する協議会に申請前に加入し、加入後は必要な協力を行います。協力を行わないなどした場合は、基準を満たさず受け入れができなくなります。
運用要領では、分野別協議会などを退会すると基準を満たさなくなり、引き続き受け入れられないとされています。人数を増やす計画の前に、自社の分野で何への加入が必要かを要領別冊で確かめておくと安心です。
2027年4月からは支援体制も人数を左右する
2027年4月1日から、1号特定技能外国人への支援体制の要件が変わります。支援担当者1人が支援できる1号特定技能外国人は、50人未満になります。入管庁の例では、120人を支援する場合は3人の支援担当者が必要です。この上限は、自社で支援する場合にも当てはまります。
あわせて、支援責任者と支援担当者は、支援を行う事業所ごとに常勤の役員または職員から1人以上選ぶことになります。登録支援機関に委託する場合は、登録支援機関の側に、支援担当者1人あたり委託元10機関未満などの要件がかかります。支援を自社で持つか委託するかの比べ方は「登録支援機関・監理団体・人材紹介・求人メディアの違い」を参考にしてください。
これからの主な日付
- 2026年1月23日分野別運用方針の閣議決定1号の受入れ見込数を全分野で80万5,700人に見直し
- 2026年4月13日外食業で認定証明書の交付を一時停止同日以降に受理した交付申請は原則として不交付
- 2027年4月1日支援体制の要件と建設分野の告示の改正を施行支援担当者1人あたり50人未満。建設の人数枠の数え方が変わる
- 2029年3月末いまの受入れ見込数の期間の終わり
2026年10月30日時点で入管庁が公表している日付です。
よくある誤解
- 見込数に余裕がある分野なら、申請すれば許可されますか。
- いいえ。見込数は分野全体の上限です。申請ごとに、受け入れ機関と本人が基準を満たすかを審査されます。
- どの分野にも、1社あたりの受け入れ人数の上限がありますか。
- いいえ。運用要領では、原則として受け入れ機関ごとの人数枠はありません。2026年10月30日時点の要領別冊で枠があるのは、介護(事業所ごと)と建設(受け入れ機関ごと)です。
- 外食業では、もう特定技能の人を雇えませんか。
- 2026年4月13日以降に受理した認定証明書の交付申請は不交付、他の在留資格からの変更は原則として不許可です。外食業の1号として在留する人の転職などに伴う申請と在留期間の更新は、通常どおり審査されています。
- 特定技能2号にも受入れ見込数がありますか。
- いいえ。入管庁の制度説明資料では、2号の受入れ見込数は「設定なし」とされています。
計画の前に自社で確かめること
- 自社の分野の受入れ見込数と、最新の在留者数・充足率を確かめた
- 海外から呼び寄せるか、国内にいる人を採用するか、採用ルートごとに交付停止の影響を考えた
- 介護の場合、事業所ごとに日本人等の常勤介護職員を数え、技能実習生・留学生などを除いた
- 建設の場合、常勤の職員(1号特定技能外国人・技能実習生を除く)を数え、受入計画の変更申請の時期を見込んだ
- 自社の分野で必要な協議会などへの加入を、在留諸申請の前に済ませる段取りがある
- 2027年4月1日以降も、支援担当者1人あたり50人未満になる体制を考えた
- 自社の分野の要領別冊が最新版かどうかを確かめた
自社がどの分野・業務区分に当たるか、人数枠をどう数えるかなど、個別の判断が必要な点は、地方出入国在留管理官署や分野を所管する省庁に確かめてください。行政書士などの専門家に相談する方法もあります。
計画した人数を採用するには
受け入れの上限を確かめたら、次は計画した人数をどう集めるかです。外食業のように海外からの採用が止まる分野もあるため、国内に在留する人材も含めて採用の手段を考えておくと安心です。採用にかかる費用の見込み方は「外国人採用の費用の内訳と見積もりの比べ方」で整理しています。
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出典・参考
- 特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)(出入国在留管理庁)
- 特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針及び育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する基本方針(出入国在留管理庁)
- 分野別運用方針の主要な記載事項(令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
- 介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(分野別運用方針 別紙1)(出入国在留管理庁)
- 建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(分野別運用方針 別紙5)(出入国在留管理庁)
- 外国人労働者に関する制度概要(令和8年9月29日更新)(出入国在留管理庁)
- 出入国管理及び難民認定法 第7条の2(e-Gov法令検索)
- 特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について(出入国在留管理庁)
- 特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について(出入国在留管理庁)
- 特定技能「外食業分野」における受入れ見込数の上限超過への対応(出入国在留管理庁)
- 特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況(2026年10月19日掲載)(出入国在留管理庁)
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年10月)(出入国在留管理庁)
- 特定技能運用要領(本体・要領別冊の一覧)(出入国在留管理庁)
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領 分野別要領別冊(介護分野、令和7年4月21日一部改正)(出入国在留管理庁)
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領 分野別要領別冊(建設分野、令和7年1月31日一部改正)(出入国在留管理庁)
- 特定技能制度の建設分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について(令和9年4月1日施行)(出入国在留管理庁)
- 建設分野の上乗せ告示の一部を改正する告示(新旧対照表)(出入国在留管理庁)
- 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)(出入国在留管理庁)
- 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の主な改正点(出入国在留管理庁)

