受け入れ要件

建設業の外国人採用ガイド|建設特定技能受入計画・JAC・費用・人数枠【2026年版】

公開日 2026年11月4日更新日 2026年11月4日

建設業の外国人採用、受入計画・人数枠・費用、2026年版と書かれ、ヘルメットとクレーンと図面の線画を添えた記事のカバー

建設分野で特定技能の外国人を受け入れるには、入管庁の基準に加えて、国土交通大臣による「建設特定技能受入計画」の認定が必要です。認定には、建設業許可、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、建設技能人材機構(JAC)への加入、日本人と同等額以上の月給制の報酬などが求められます。1号の外国人1人につき、JACへの受入負担金が月額12,500円かかります(2026年11月4日時点のJACの案内)。

この記事では、2026年11月4日時点で入管庁・国土交通省(国交省)・JACが公表している資料をもとに、建設分野の特定技能に特有の手続きと費用を整理します。どの分野にも共通する在留資格の手続きや採用費用は、関連する記事へのリンクで補います。

建設分野では「受入計画の認定」が上乗せされる

人手不足の見通し

2026年1月23日に閣議決定された建設分野の運用方針では、2028年度(令和10年度)に必要な建設技能者は約312万人と推計されています。一方で、同年度の建設技能者は約276万人まで減る見込みで、36万人程度が不足するとされています。生産性の向上と国内人材の確保で16万人程度が緩和されても、なお20万人程度が不足する見込みです。

建設分野の特定技能1号の受入れ見込数は7万6,000人で、2028年度末までの受け入れの上限として運用されます。2026年7月末の在留者数(速報値)は5万2,366人で、見込数の68.9%です。分野全体の見込数と1社あたりの人数枠の関係は、「特定技能の受け入れ人数に上限はある?」で詳しく整理しています。

他の分野と何が違うか

建設業は、工事ごとに働く場所が変わり、季節や受注の状況で仕事の量が変わります。運用方針は、こうした事情から外国人の就労環境に特に配慮が必要だとして、建設分野だけの基準を設けています。

建設分野で上乗せされる主な基準(1号)
認定建設特定技能受入計画報酬予定額や安全・技能の習得計画を書いた計画について、国土交通大臣の認定を受ける
許可・登録建設業許可とCCUS建設業法第3条の許可を受け、会社と外国人本人をCCUSに登録する
加入JACへの所属JACの正会員団体を通じた間接の加入か、賛助会員としての直接の加入
報酬日本人と同等額以上・月給制技能の習熟に応じた昇給を行い、その旨を雇用契約に書く
人数常勤の職員の数まで1号特定技能外国人と技能実習生は、常勤の職員の数に入れない
受け入れ後報告・講習・巡回国交省への受入報告、受入れ後講習の受講、適正就労監理機関による確認

出典:分野別運用方針 別紙5、分野別要領別冊(建設分野、令和7年1月31日一部改正)P.11〜P.28

対象の業務と、外国人に求められる水準

建設分野の業務区分は、土木・建築・ライフライン・設備の3つです。1号は「指導者の指示・監督を受けながら」作業に従事し、2号は複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理します。建設工事に当たらない除染などの業務を主な目的とする受け入れは、建設分野の対象外です。

区分 技能の水準 日本語の水準
1号 建設分野特定技能1号評価試験、または業務区分に応じた技能検定3級 国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上
2号 建設分野特定技能2号評価試験、または業務区分に応じた技能検定1級など。加えて、班長としての実務経験 運用方針の2号の基準には定めがない

出典:分野別要領別冊(建設分野)P.7〜P.10・別表

建設分野の技能実習2号を良好に修了した人は、1号に必要な技能と日本語の水準を満たしているものとして扱われます。1号は、通算で5年を超えて在留できません。

受入計画の認定に求められること

建設特定技能受入計画は、試験に合格した人を雇う場合、技能実習を修了した人を雇う場合、日本で働く1号の人が転職してくる場合など、新たに特定技能の雇用契約を結ぶときには必ず必要です。退職した1号の人を同じ会社が再び雇う場合も、新たな計画の申請と認定が要ります。

建設業許可・CCUS・JACは申請の前に準備する

告示では、認定を受ける会社について、次の5つを求めています。

  • 建設業法第3条第1項の許可を受けていること
  • CCUSに登録していること
  • JACまたはJACを構成する建設業者団体に所属し、行動規範を守ること
  • 申請の日前5年以内とその後に、建設業法に基づく監督処分(一部を除く)を受けていないこと
  • 職員の適切な処遇や、適切な労働条件を示した募集など、国内人材確保の取組を行っていること

国内人材確保の取組は、ハローワークで求人したときの求人票(計画申請日から1年以内のもの)や、日本人技能者の経験年数と月額の報酬が分かる賃金台帳で確かめられます。適切な条件で求人していない場合や、日本人の報酬が経験年数を考えた額になっていない場合は、計画が認定されないとされています。

JACへの加入には2つの方法があります。JACの正会員である建設業者団体の会員なら、JACに間接的に加入しているとみなされます。団体に入らない場合は、JACの賛助会員として直接加入します。賛助会員になるには書類の提出と年会費の負担に加えて、JACの理事会の承認が必要です。どちらの場合も、会員証明書が受入計画の申請に要ります。

報酬:日本人と同等額以上を、月給制で

1号の外国人には、同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を安定的に支払い、技能の習熟に応じて昇給を行う必要があります。その旨を雇用契約に書くことも要件です。

要領別冊では、報酬を決めるときの扱いを次のように定めています。

  • 技能実習2号の修了者は概ね3年、3号の修了者は概ね5年の経験者として扱う。1号評価試験か技能検定3級の合格者は、3年程度か5年程度の経験者として扱う
  • 技能実習生として受け入れた人を雇う場合は、技能実習の最終年度の報酬を上回ることが前提
  • 審査では、同じ事業所の同等の日本人、圏域や全国の同じ職種の賃金水準などと比べる。低いと判断されると、引き上げの指導を受けることがある
  • 支払いは月給制。他の職員が月給制でなくても、特定技能の外国人には月給制が求められる
  • 賞与・手当・退職金も日本人と同等に支給する

ここでいう月給制は、基本給、毎月固定的に支払われる手当、残業代の合計で「1カ月単位で算定される額」を支払う形を指します。自己都合の欠勤分を差し引くことはできますが、会社の都合や天候による作業の中止を欠勤として扱うことは認められていません。

人数枠:常勤の職員の数まで

1号特定技能外国人の総数は、受け入れる会社の常勤の職員の総数を超えてはいけません。常勤の職員の数には、1号特定技能外国人と技能実習生を含めません。建設技能者はさまざまな現場に出向いて働くため、指導・育成には一定の常勤雇用者が必要という理由です。

1つの会社が持てる認定受入計画は1つだけです。1号の外国人を追加するときは、受入計画の変更申請になります。

受け入れた後に求められること

認定は受け入れて終わりではありません。主なものは次のとおりです。

項目 内容 時期
受入報告 国交省へ「1号特定技能外国人受入報告書」を出す 受け入れの開始後、原則1か月以内
CCUSの技能者登録 外国人本人をCCUSに登録し、技能者IDの書類を国交省へ出す 海外から入国した人は、原則として入国後1か月以内
受入れ後講習 適正就労監理機関が行う講習を受講させる。出勤日として扱う 受け入れ後、概ね3か月〜6か月の間
巡回訪問 適正就労監理機関による確認・指導に協力する 随時
退職・2号移行の報告 国交省へ報告する 契約の終了後・移行後すみやかに

出典:分野別要領別冊(建設分野)P.14〜P.28、国交省「申請の手引き、様式、システム操作方法」

下請として現場に入る場合は、元請の建設業者の指導に従うことも認定の要件です。たとえば、現場に入場させる際に現場入場届出書を元請に出す必要があります。

受入計画の認定までの流れと期間

国交省への受入計画の申請は、原則として「外国人就労管理システム」によるオンラインです。審査と認定は、各地方整備局等が行います。

建設分野で1号を受け入れるまでの流れ
  1. 1
    許可・登録・加入をそろえる候補者を探す前建設業許可、CCUSの事業者登録、JACへの加入と会員証明書の入手
  2. 2
    報酬を決め、重要事項を説明して雇用契約を結ぶ申請日と雇用開始予定日の前の概ね6か月以内に説明告示の様式第2を使い、本人が十分に理解できる言語で説明する
  3. 3
    受入計画を国交省に申請する雇用開始日の概ね6か月前から(技能実習からの移行は修了期日の6か月前から)認定までは1か月半〜2か月程度(補正期間を除く)。地方によってはさらに数か月かかる
  4. 4
    入管庁に在留資格を申請する就労開始の希望日の2〜3か月前が目安受入計画の申請と並行できる。許可・交付には受入計画の認定証の写しが要る
  5. 5
    受け入れ後の報告と講習受け入れの開始後受入報告(原則1か月以内)、CCUSの技能者登録、受入れ後講習の受講

出典:国交省「申請の手引き、様式、システム操作方法」(2026年11月4日閲覧)、分野別要領別冊(建設分野)P.19・P.24〜P.28

1号の外国人には、どの分野でも支援計画に基づく支援が必要です。建設分野では、これに加えて上記の手続きがかかります。人材紹介や求人メディアなど、候補者の探し方の違いは「外国人採用の方法を比較」で整理しています。

費用:JACの受入負担金と年会費

建設分野に特有の費用は、JACに払う年会費と受入負担金です。2026年11月4日時点のJACの案内は次のとおりです。

区分 年会費 受入負担金(1号1人あたり)
JACの正会員団体に所属する会社 JACへの年会費はなし(所属団体の会費を団体に納める) 月額12,500円(参考:年額15万円)
JACの賛助会員として直接加入する会社 24万円 月額12,500円(参考:年額15万円)

出典:JAC「年会費と受入負担金」「外国人受入れマニュアル 第2章 03」

受入負担金は、JACが行う教育訓練と技能評価試験、就職・転職の支援、巡回指導、母国語相談ホットラインなどの共同事業の費用です。日割りの計算はせず、就労を始めた月(在留カードの「特定技能1号」の交付年月日が属する月)を1月目、雇用契約の満了日か退職日が属する月を最終月として数えます。特定技能2号は、受入負担金の対象になりません。

このほか、労働安全衛生法に基づく特別教育や技能講習の受講にかかる旅費・受講料は、受け入れる会社の負担と定められています。紹介手数料や在留手続の手数料など、どの分野にも共通する費用は「外国人採用の費用の内訳と見積もりの比べ方」で確かめてください。

技能講習などの費用には、建設業向けの助成金がある

厚生労働省の「人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)」は、中小建設事業主が雇用する建設労働者に技能の向上のための実習を受けさせたときの助成金です。名前に「技能実習」とありますが、外国人技能実習制度とは別のもので、特別教育や技能講習などが対象に含まれます。

2026年4月8日版の支給要領では、雇用保険の被保険者が20人以下の中小建設事業主の場合、経費の4分の3(1つの実習で1人10万円まで)が助成されます。受講した日の賃金にも、1日9,500円(CCUSの技能者情報登録者は10,450円)の助成があります。要領に外国人を除く定めは見当たりませんが、支給の要件は雇用保険の適用や計画届の提出時期など細かく分かれています。対象になるかは、管轄の労働局に確かめてください。

特定技能2号の要件

2号に求められる技能の水準は、2号評価試験か技能検定1級などへの合格と、班長としての実務経験です。実務経験は、CCUSに記録された「就業日数(職長+班長)」で確かめます。

  • 業務区分に対応するCCUSの能力評価基準がある職種:レベル3相当の就業日数
  • 対応する能力評価基準がない場合:就業日数(職長+班長)が3年(勤務日数645日)以上

CCUSの能力評価でレベル3を取っていれば、その結果通知書の写しで実務経験の証明に代えられます。CCUSに記録されていない就業日数は、経歴証明書で確かめられます。

2号の外国人を雇う会社に告示が求めるのは、建設業許可、CCUSへの登録、JACまたはJACを構成する建設業者団体への所属と行動規範の遵守です。1号のときに積み上がる就業日数が2号の要件にかかわるため、1号の段階から外国人本人をCCUSに登録し、現場での就業を記録しておくことが大切です。

2027年4月1日からの変更

2026年6月23日に公布された告示の改正が、2027年4月1日に施行されます。新旧対照表では、人数枠を数えるときに除く人が「技能実習生」から「育成就労外国人」などに変わり、外国にある事業所に所属する常勤の職員も除かれます。受入計画の申請時に育成就労外国人を雇用していて、一定の基準の適用を受けている場合は、人数枠が当てはまらないとも定められています。

改正の時点で認定を受けている受入計画は、改正後の規定で認定を受けたものとみなされます。この改正に合わせた建設分野の運用要領は、2026年11月4日時点で入管庁のページに「追って掲載」とされています。同じ時点で入管庁と国交省が掲載している分野別要領別冊は、令和7年1月31日一部改正の版のままです。

建設分野の特定技能にかかわる主な日付
  1. 2026年1月23日
    分野別運用方針の閣議決定建設の1号の受入れ見込数は7万6,000人(2028年度末まで)
  2. 2026年6月23日
    建設分野の告示の改正を公布
  3. 2027年4月1日
    改正告示の施行人数枠の数え方が変わる。建設分野の育成就労の受入れ見込数は、2027年度から2年間で12万3,500人
  4. 2029年3月末
    いまの受入れ見込数の期間の終わり

2026年11月4日時点で入管庁が公表している日付です。

よくある誤解

入管庁の許可が出れば、国交省の受入計画は後から出せばよいですか。
いいえ。入管庁の許可・交付を受けるには、受入計画の認定証の写しが必要です。国交省への申請と入管庁への申請は並行できますが、国交省の認定が先に要ります。
日本人の職人と同じ日給制で雇ってもよいですか。
いいえ。1号の外国人には月給制が求められます。他の職員が月給制でなくても同じです。会社の都合や天候で作業を止めた日を欠勤として扱うこともできません。
JACの受入負担金は、2号の外国人にもかかりますか。
いいえ。JACの案内では、特定技能2号は受入負担金の対象になりません。受入負担金がかかるのは1号の外国人です。
技能実習から特定技能に切り替えるときは、受入計画は要りませんか。
いいえ。技能実習の修了者を同じ会社で引き続き雇う場合も、新たに特定技能の雇用契約を結ぶので、受入計画の認定が必要です。申請は技能実習計画の修了期日の6か月前からできます。

申請の前に自社で確かめること

建設分野で特定技能の採用を始める前のチェックリスト
  • 建設業法第3条第1項の許可を受けていて、申請の日前5年以内に監督処分(一部を除く)を受けていない
  • CCUSの事業者登録を済ませたか、申請番号が分かる
  • JACの正会員団体に所属しているか、賛助会員として加入する段取りがあり、会員証明書を用意できる
  • 計画申請日から1年以内のハローワークの求人票と、日本人技能者の賃金台帳・経験年数を示す書類がある
  • 1号の報酬を、同等の技能を有する日本人と同等額以上の月給制で設計し、昇給の条件を契約に書いた
  • 常勤の職員(1号特定技能外国人・技能実習生を除く)の数から、受け入れられる1号の人数を数えた
  • 就労開始の希望日から逆算して、受入計画(概ね6か月前から)と在留資格(2〜3か月前が目安)の申請時期を決めた
  • 受入負担金(1号1人につき月額12,500円)を、本人に負担させない形で予算に入れた

自社の業務がどの業務区分に当たるか、報酬の設定が認定の基準を満たすかなど、個別の判断が必要な点は、受入計画の審査を行う地方整備局等や地方出入国在留管理官署に確かめてください。JACのヘルプデスクでも、建設分野の特定技能制度全般の相談を受け付けています。行政書士などの専門家に相談する方法もあります。

受入計画の準備と並行して、採用の手段を考える

受入計画の認定までには数か月かかるため、候補者を探す時期と申請の準備は同時に進める必要があります。日本に住む人の転職による採用も、受入計画の対象になります。

Jobal(ジョバル)は、特定技能・技術・人文知識・国際業務(技人国)に特化した外国人材の求人メディアです。掲載料・初期費用は0円で、採用が決まったときにだけ成功報酬がかかります。在留資格の申請のサポートと入社後のフォローも無料です。外国人採用について、まずはお気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。

出典・参考

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