費用・助成金

外国人採用の費用の内訳と見積もりの比べ方|紹介手数料・支援委託料・2026年10月改定の在留手続の手数料

公開日 2026年10月30日更新日 2026年10月30日

外国人採用の費用、3つの費用の内訳、2026年版と書かれた記事のカバー

外国人を1人採用する費用は、依頼先に払う料金、官公庁に払う手数料、入国と生活にかかる実費の3つに分けると整理しやすくなります。このうち金額が公に決まっているのは官公庁の手数料で、在留資格の変更と在留期間の更新の手数料は2026年10月1日に改定されました。紹介手数料や支援の委託料は依頼先ごとに違うため、条件をそろえて見積もりを比べることが欠かせません。

この記事では、2026年10月30日時点の出入国在留管理庁・厚生労働省の資料をもとに、費目ごとの決まり方と見積もりの比べ方を整理します。民間の料金の「相場」は官公庁の資料で確かめられないため、この記事では金額を載せていません。

費用は3つに分け、5つの時期に並べる

外国人の採用でかかる費用は、払う先で3つに分けられます。金額の決まり方がそれぞれ違うため、分けて考えると見積もりを読みやすくなります。

1依頼先に払う料金紹介手数料、求人メディアの利用料、登録支援機関の支援委託料、行政書士などへの申請の代行費、送出機関の費用依頼先ごとに違う
2官公庁に払う手数料在留資格の変更許可・在留期間の更新許可の手数料、就労資格証明書の交付手数料政令などで決まった額
3入国と生活の実費来日の渡航費、入国時の送迎、住居の初期費用、帰国の旅費など特定技能は負担のルールあり

このほかに、毎月の給与と会社負担の保険料がかかります。採用の費用ではありませんが、1人あたりの年額を出すときには一緒に入れておく必要があります。特定技能では、外国人の報酬の額が、同じ業務に就く日本人の報酬の額と同等以上であることが求められます。

費用が出ていく時期は、採用のときだけではありません。入社のとき、毎月、在留期間の更新のとき、帰国のときにも費用がかかります。

費用が出ていく5つの時期。1 採用のとき 紹介・求人の料金、2 入社のとき 渡航・住居の費用、3 毎月 給与・支援の委託費、4 更新のとき 更新の手数料、5 帰国のとき 帰国の旅費
図解採用のときの一時費用だけで予算を組むと、毎月の委託費や更新の年の手数料が抜けやすくなります。拡大して見る ↗

依頼先に払う料金は、役割と料金の形で比べる

依頼先は、役割によって法律上の位置づけと料金の形が違います。同じ「成功報酬」でも、職業紹介と求人メディアでは決まりが異なります。依頼先ごとの役割と必要な許可・登録は「登録支援機関・監理団体・人材紹介・求人メディアの違い」で比べています。

依頼先 主な料金の形 見積書・契約書で確かめる点
有料職業紹介事業者 紹介手数料(上限制の場合は求人受付手数料も) 上限制か届出制か、返戻金制度、契約の主体
求人メディアなど(募集情報等提供事業者) 掲載料、システム利用料、スカウトメールの送信料、成功報酬 料金の発生条件、ほかの経路で採用したときの扱い、違約金
登録支援機関 支援の委託料(特定技能1号) 委託するのは支援計画の全部か一部か、別に請求される実費
行政書士など 在留資格の申請の代行費 官公庁の手数料を含むか、不許可のときの扱い
送出機関(海外から呼ぶ場合) 会社が払う費用 会社と本人がそれぞれ払う費目、保証金・違約金の定めが無いこと

出典:厚生労働省 リーフレット(令和6年11月)、職業紹介事業の業務運営要領、出入国在留管理庁 運用要領(令和8年10月)・登録支援機関のページ

紹介手数料は「上限制」か「届出制」で決まる

有料職業紹介事業者の手数料は、「上限制」か「届出制」のどちらかです。厚生労働省のリーフレットでは、就く業務の年収の一定割合を紹介手数料として支払う形が一般的だと案内しています。

  • 上限制:紹介手数料は、支払われた賃金額の11%相当額まで(免税事業者は10.3%)。6か月を超えて雇用された場合は、6か月間の賃金をもとに計算します。期間の定めのない雇用では、臨時の賃金などを除いた6か月分の賃金の14.8%(免税事業者は13.9%)と比べ、大きいほうが上限です。求人の受付手数料は1件710円まで(免税事業者は660円)です
  • 届出制:事業者が厚生労働大臣に届け出た手数料表の額です

紹介事業者は、決められた手数料のほかに、いかなる名義でも実費その他の手数料や報酬を受けてはならないとされています。採用される本人(求職者)から手数料を取れるのは、芸能家・モデルと、年収700万円を超える経営管理者・科学技術者・熟練技能者の職業に限られます。このほか、一部の職業には求職の受付手数料の定めがあります。

早く辞めた場合に手数料の一部を返す「返戻金制度」は、設けることが望ましいとされています。紹介事業者は、手数料と返戻金制度の内容を求人者に明示しなければなりません。各事業者の手数料と返戻金の情報は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」に載っています。

求人メディアは料金の形がさまざま

求人メディアや人材データベースのように、求人の情報を載せたり、スカウトメールを送る機能を提供したりするサービスは「募集情報等提供事業」にあたります。料金の形には、掲載料を払う掲載課金型、システム利用料やスカウトメールの送信料を払う型、採用1件ごとに払う成功報酬型などがあります。

厚生労働省は、採用した人について複数の求人サイトから成功報酬を請求されるケースに注意を呼びかけています。ハローワーク経由で採用しても請求を受けるケースもあるとしています。令和7年4月からは、利用料金や違約金の定めを、求人者に誤解が生じないよう分かりやすく明示することが事業者に求められています。

厚生労働省のリーフレットは、契約の前に次の点を確かめるよう案内しています。

  • 料金が発生する条件と、契約の解除の方法
  • 情報提供を受けた人を、ほかの機関経由(ハローワークを含む)で採用した場合の扱い
  • 採用したときの報告の要否、その期限と方法
  • 本人との連絡方法に制限があるか
  • 違約金が発生する場合と、その内容・金額
  • 早く辞めた場合の返戻金の定め(対象期間・返戻率)
  • 契約の主体(その事業所だけか、法人全体か)

登録支援機関の委託料は、本人に負担させられない

特定技能1号の外国人を受け入れる企業は、1号特定技能外国人支援計画を作り、計画に沿って支援を行います。支援には、事前ガイダンス、出入国する際の送迎、住居確保の支援、生活オリエンテーション、定期的な面談など10項目の義務的支援があります。支援計画の全部または一部を、登録支援機関に委託できます。

支援に要する費用は、直接にも間接にも本人に負担させてはいけません。この費用には、登録支援機関への委託費用が含まれます。ガイダンスや面談などの通訳費、出入国時の送迎の交通費も含まれます。登録支援機関は、出入国在留管理庁の「登録支援機関登録簿」に載っています。

送出機関の費用は、本人が払う分も確かめる

海外から呼ぶ場合に外国の機関(送出機関など)が関わるときは、会社が払う費用と本人が払う費用を分けて確かめます。特定技能では、本人が外国の機関に費用を払っている場合、その額と内訳を本人が十分に理解して合意していることが求められます。職業紹介事業者や外国の機関を通じて雇用する場合は、会社がそれを確かめることが求められます。

本人や親族が保証金を取られたり、違約金を定める契約を結ばされたりしていないことも確かめます。会社がそれを認識しながら受け入れると欠格事由に当たり、5年間受け入れができなくなります。

官公庁に払う手数料は、2026年10月1日に改定された

在留資格の変更許可と在留期間の更新許可の手数料は、2026年10月1日に改定されました。改定後は、許可される在留期間の区分で額が決まります。窓口申請とオンライン申請でも額が違います。

許可される在留期間 窓口申請(収入印紙) オンライン申請の手数料 決済手数料 オンラインの支払額の合計
3月以下 10,000円 10,000円 330円 10,330円
3月超6月以下 18,000円 15,000円 330円 15,330円
6月超1年未満 25,000円 21,000円 330円 21,330円
1年 33,000円 27,000円 330円 27,330円
1年超3年未満 48,000円 42,000円 330円 42,330円
3年以上5年未満 64,000円 56,000円 550円 56,550円
5年以上 75,000円 65,000円 550円 65,550円

出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」「在留期間更新許可申請」「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について」(2026年10月1日以降に受け付けた申請の額)。決済手数料は税込み

改定前は、許可される在留期間によらず、窓口申請が6,000円、オンライン申請が5,500円でした。2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の額です。

在留資格の変更・更新の手数料(窓口申請)
改定前6,000円在留期間によらず同じ額(2026年9月30日までに受け付けた申請)
1年の許可33,000円2026年10月1日以降に受け付けた申請
3年以上5年未満の許可64,000円2026年10月1日以降に受け付けた申請
5年以上の許可75,000円2026年10月1日以降に受け付けた申請

出入国在留管理庁の資料から。オンライン申請は窓口申請より低い額で、別に決済手数料がかかる。

在留資格ごとに、当てはまる段を見込む

技術・人文知識・国際業務の在留期間は、5年・3年・1年・3月のどれかです。特定技能1号は、3年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間です。どの段の手数料になるかは、許可された在留期間で決まります。

納める額は審査の後に分かります。窓口申請は審査終了後に届くハガキに、オンライン申請は審査完了後に届く決済案内のメールに記載されます。

手数料がかからない手続と、そのほかの手続

  • 在留資格認定証明書の交付申請(海外から呼ぶとき):手数料はかかりません
  • 就労資格証明書の交付:窓口申請は2,000円、オンライン申請は1,600円に決済手数料220円が加わります(2026年10月1日以降の申請分)

納め方と、納める人

窓口申請は、収入印紙で納めます。2026年10月1日以降のオンライン申請は、コンビニ決済か銀行決済で納め、収入印紙・クレジットカード・QRコード決済は使えません。手数料の減額の措置は、オンライン申請では受けられません。許可のときに特定在留カードの交付を受ける場合は、額が加わることがあります。

改定後の手数料を納めるのは、許可を受ける外国人です。会社が負担する場合は、そのことを雇用条件などで決めておくと、本人との食い違いを防げます。

入国と生活の実費:特定技能で本人に負担させられない費用

特定技能1号では、出入国在留管理庁の運用要領(令和8年10月)に、会社と本人の費用負担の決まりがあります。見積もりを読むときは、本人に請求する費目が含まれていないかも確かめます。

費目 運用要領の記載
支援の費用(登録支援機関への委託費用を含む) 直接にも間接にも本人に負担させない。出入国時の送迎の交通費、ガイダンスや面談の通訳費などを含む
借上げ住居の敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金 本人から取れる居住費の元に含まれないため、本人に負担させられない
居住費 借上げ物件は、借上げに要する費用(管理費・共益費を含む)を入居する人数で割った額以内
水道・光熱費 実際にかかった費用を、同居している人数で割った額以内
食費 現物支給は購入額以内、社員食堂は他の従業員から取る額以内など
帰国の旅費 本人負担が原則。本人が負担できないときは会社が負担し、出国が円滑になされるよう必要な措置をとる

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年10月)p.29・30・53・74

住居費や食費など本人が定期に負担する費用は、本人が内容を十分に理解して合意し、額が実費に相当するなど適正である必要があります。給与から控除する場合は、雇用条件書に控除する費用の名目と額を明記します。住宅の賃貸料などの実費を、必要な限度で本人に負担させることは妨げられていません。

帰国の旅費に備えて報酬から控除して積み立て、会社が管理することは認められていません。本人が負担できないときは、帰国の原因を問わず(行方不明の場合を除く)、会社が負担します。会社が負担できなくなる場合に備え、登録支援機関や関連企業などと協定を結んでおくことが望まれるとされています。

見積もりの比べ方:条件をそろえて、1人あたりの年額にする

依頼先によって、見積もりに含まれる費目が違います。そのまま総額を比べると、含まれていない費用の分だけ安く見えることがあります。

見積もりを比べる3つの手順。1 条件をそろえる 在留資格・人数・頼む範囲、2 費目を並べる 同じ表に書き写す、3 年額にする 1人あたりで比べる。初年度と2年目以降を分けて見る
図解同じ条件で見積もりを取り、同じ表に書き写してから、1人あたりの年額で比べます。拡大して見る ↗
見積もりを比べる手順
  1. 1
    依頼する条件をそろえる在留資格、職種・業務、人数、入社の予定、いま国内にいるか海外か、頼む範囲を同じにして見積もりを頼む
  2. 2
    費目を同じ表に書き写す初期費用、紹介手数料・成功報酬、申請の代行費、支援の委託料(月額なら12か月分)、渡航・送迎などの実費を並べる
  3. 3
    含まれない費用を足す官公庁の手数料を含むか、通訳・送迎の実費が別か、更新のときの代行費はいくらかを確かめて足す
  4. 4
    1人あたりの年額にする初年度の合計と、2年目以降の年額(委託料・更新の年の手数料など)を分けて出す
  5. 5
    条件の違いを並べる返戻金の条件、違約金の定め、支払いの時期、契約の主体を見比べる

採用の経緯は記録しておくと役に立ちます。厚生労働省のリーフレットは、どの事業者のサービスを通じて面接に至ったか、本人との連絡や面接の日時、採否の連絡方法などを整理しておくよう案内しています。ほかの事業者から成功報酬を請求されたときに、資料をもって説明できるようにするためです。

助成金は採用の費用の補填ではない

外国人を雇う企業が使える国の助成金に、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)があります。外国人労働者の職場定着のため、就労環境の整備を行う事業主に支給されます。2026年10月1日以降に計画を出す場合、必須の措置を実施して20万円、上乗せの措置も実施すると25万円の定額です。

計画を出すときの見積書や、支給申請のときの領収書は求められません。かかった採用費用の一部が戻る仕組みではありません。計画期間を最短の3か月にしても、支給申請までおよそ10か月かかる計算です。予算の範囲内で支給され、審査があります。詳しくは「外国人雇用の助成金は最大25万円」で整理しています。

よくある誤解

紹介手数料の相場は、官公庁の資料で分かりますか。
いいえ。官公庁の資料で決まっているのは手数料の決め方です。上限制は支払われた賃金額の11%相当額までなど、届出制は事業者が届け出た手数料表の額です。各事業者の手数料は厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で確かめられます。
海外から呼ぶときも、在留手続の手数料がかかりますか。
在留資格認定証明書の交付申請には、手数料がかかりません。入国後に在留期間を更新するときや、国内にいる人の在留資格を変更するときに手数料がかかります。
9月に申請して、許可が10月になりました。手数料は改定後の額ですか。
いいえ。2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降でも改定前の額(窓口申請6,000円、オンライン申請5,500円)です。
特定技能の支援の委託料を、本人の給与から差し引けますか。
いいえ。登録支援機関への委託費用を含む支援の費用は、直接にも間接にも本人に負担させられません。

見積もりを取る前に確かめること

見積もりの前のチェックリスト
  • 採用する在留資格(特定技能1号・技術・人文知識・国際業務など)と、いま国内にいるか海外かを決めた
  • 依頼先ごとに、同じ条件(職種・人数・入社の予定・頼む範囲)で見積もりを頼んだ
  • 紹介事業者の手数料が上限制か届出制かと、返戻金の条件を確かめた
  • 求人メディアの料金の発生条件、ほかの経路で採用したときの扱い、違約金の定めを確かめた
  • 申請の代行費に、官公庁の手数料が含まれるかを確かめた
  • 在留資格の変更・更新の手数料を、想定する在留期間の段の額(2026年10月1日改定後)で見込んだ
  • 特定技能1号の場合、支援の費用や借上げ住居の敷金・礼金などを本人に請求しない形になっている
  • 初年度の合計と、2年目以降の年額を分けて出した

自社の採用に当てはまるか、どの費用を本人に負担させてよいかなどは、個別の判断が必要です。地方出入国在留管理官署や都道府県労働局、行政書士・社会保険労務士などの専門家に確かめてください。

採用の費用の形から選ぶ

依頼先の費用は、初期費用・月額・成功報酬の組み合わせで大きく変わります。見積もりを並べるときは、採用が決まる前に払う費用があるかどうかも比べるとよいでしょう。

Jobal(ジョバル)は、特定技能・技術・人文知識・国際業務(技人国)に特化した外国人材の求人メディアです。掲載料・初期費用は0円で、採用が決まったときにだけ成功報酬がかかります。在留資格の申請のサポートと入社後のフォローも無料です。外国人採用について、まずはお気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。

出典・参考

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